賃貸ビル・マンション建築・修繕 小河原建設の非木造事業
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2023.11.19
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2311 冬は暖かい住まいで

11月に入り2023年もあと二ヶ月足らず。今月末頃から忘年会なども始まり、いよいよ今年もカウントダウン。気がつけばお正月なんてことになりそうですが、皆様お元気のことと拝察いたします。

 今月の初旬は季節はずれの暖かさでしたが、これからは寒さが身にしみる冬に入ります。日本の家は寒いというのが通説でしたが、最近は省エネ住宅の普及が進み、家の断熱・気密性能の向上とともに暖かい家が増えてきています。寒さ厳しくなる折、今号では暖かい住まいについて考えてみたいと思います。

―採暖の快適さは短い―
 温帯地域に属する日本は気候が良く四季折々が楽しめる国ですが、夏は暑く、冬も冷え込みが厳しい。よって昔から冬は囲炉裏やストーブで火を焚いて暖を採る「採暖」が永らく行われてきました。

寒い時に採暖で手のひらや体の一部を加熱して得られる暖かさは一種の快感であり、寒暖の感覚の変化によってもたらされます。ですが、ストーブの前に長くいると暖かさを通り越して徐々に暑く感じはじめ、結局は不快に感じてきます。
 つまり、採暖で得られる快感は、寒いから暖かいへ感覚が変化する、その短い時間だけのもので、暖房による「快適」とは大きく異なります。欲しいのは長く感じられる快適さです。

―長く快適なのが暖房―
 快適さを実現するにはいくつかの条件がありますが、大切なのは体温を維持する代謝熱と寒さによる体表面からの放熱が釣り合っていることです。
 この「代謝熱量」と「放熱量」のバランスが重要で、冬に寒くなると体表面からの放熱量が増加し、代謝熱量<放熱量の状態になります。 このままでは体が冷えてしまうので、体は血流を絞って皮膚の表面温度を下げ、放熱量を減らします。
 これによって寒いという感覚が生じます。この時、代謝熱量と放熱量のバランスを取り戻すには、体を動かして代謝を増やす、重ね着をして放熱量を減らす、などの方法がありますが、ここで暖房の登場です。
 暖房により室内温度を高くすることで、体表面からの放熱量が減少し、寒さを感じなくなりリラックスした状態を維持出来ます。暖房とは室内空気を温かくして快適さを確保すること、と言えます。

―暖房の前に建物の高断熱・高気密化―
 ストーブやヒーターなどの採暖機器で、一時の快適は得られますが、部分的に熱くなったり、うっかり火傷をしてしまうなども考えられますので、やはり採暖よりも暖房がベターといえます。
 では単にエアコンなどの「暖房設備」を設置すれば良いのかというとそうでもない。
 エアコンの温風は上昇するので室内の天井面と床面で温度差ができ「頭寒足熱」の状態になってしまいます。この温度差は暖房器具だけでは解決しません。
建物の気密と断熱が大事なのです。 気密により、暖気の漏れと冷気の侵入を防ぎ、断熱により暖房に必要な熱が減るので、エアコンも省エネ運転が出来ます。
 まずは建物の高断熱・高気密化を図り、そのうえで暖房することにより、快適な温熱環境をつくることができるのです。

 昨今は電気代の大幅な値上がりなどもあり、節電という面からも建物の省エネ性能に対する関心は一層高まってきています。
冬暖かい家は、夏涼しい家でもあります。
少ない電気で「夏涼しく、冬暖かい」省エネ住宅は、これからの住宅の標準となっていくと言えます。

 最後になりますが、弊社では今月から新たな事業年度(55期)が始まっております。
諸物価の値上がりや環境問題への対応、デジタル技術の急速な発展など、大変な時代ですが、皆さまのお役に立つべく社員一同建物づくりに励んで参りますので、今期もよろしくお願いいたします。 感謝

2023.08.18
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求められる住宅の省エネ性能

引くコロナ禍やリモートワークの普及などにより住宅に対する見方が変わり、家を建てる人の多くが、「夏涼しく、冬暖かい」といった快適性を求めるようになり、断熱・気密などの性能つまり省エネ性能を重視するようになってきています。他方、電気代の大幅な値上がりなどもあり、節電という面からも住宅の省エネ性能に対する関心は一層高まってきています。

少ない電気で「夏涼しく、冬暖かい」省エネ住宅は、Co2の削減や電力需要の逼迫などの社会情勢などの背景もあり、これからの住宅の標準となっていくと言えます。

国も脱炭素社会への施策として、住宅の省エネ化を積極的に進めており、3年後の2025年には新築住宅を建てる際は、一定水準以上の省エネ性能を持つことが義務化される予定となっています。

 

現時点ではどうかというと、設計者は建築主に対してその住宅が「省エネ基準に該当」しているか否か、説明しなければいけないことになっています。

「省エネ基準に該当」とは、少し専門的になりますが、屋根や外壁、窓などの断熱性能に関する基準と冷暖房や換気・給湯などのエネルギー消費量についての基準に関して、その住宅がどの程度の水準にあるのかの説明ですが、そのような説明を建築主にすることによって、該当していない場合は省エネ性能を高めて、基準をクリアするように努めてもらうという主旨になっています。

 

東京都も来年の2023年4月から、まずは年間2万平米を超える大手の住宅事業者に対して、太陽光発電パネルの設置を義務付けるようです。東京都が設置義務化の先陣をきれば、他の行政庁も追随し、近い将来、日本全国において新築住宅を建てる際は、太陽光発電パネルの設置が義務付けられる日も来るかと思います。

 

気候異変や頻繁に発生する地球規模の災害を耳にし、目にするにつけ、地球温暖化は危機的な状況になってきているように思います。冒頭で述べたように、コロナ禍が住宅への見かたを変えたように、地球温暖化防止のための脱炭素・Co2削減が住宅のつくり方、使われ方を変えていく時代が始まっています。

2023.01.13
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卯(うさぎ)年ってどんな年

昨年は、今年の干支の「壬寅(みずのえ・とら)」は、「陽気を孕み、春の胎動を助け、冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れ、華々しく生まれる年」と記しましたが、自分で書いておきながら「ちょっと違ったかな」と感じています。(笑)皆様はどのようにお感じでしょうか。

 この時期恒例の、今年の干支についてのお話しです。今年は「癸卯(みずのと・う)」となります。癸卯とはどのような年なのか調べて参りましたので、早速、ご紹介させていただきます。

 

まずは一年ぶりですので、十干・十二支のおさらいをしましょう。
「干支」とは十二支(じゅうにし)を指しますが、本来は「十干(じっかん)」つまり甲(こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)戊(ぼ)巳(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き) に「十二支」(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)を順番に割り振っていった「十干十二支」(じっかんじゅうにし)のことを言います。甲子(きのえね)に始まり、癸亥(みずのとい)で終わる60通りの組み合わせがあることから、六十干支(ろくじっかんし)ともいい、古くから暦や時刻、方位等の表記に用いられてきたものなんですね。
 
 ここからが本題です。
 癸卯の「癸・みずのと」 は十干の最後にあたり、終わりを意味すると同時に次の新たな始まりを意味しています。また、雨や露、霧など自然の大地を潤す恵みの水を表しているとも云われています。
他方、「卯・ウサギ」は日本にも古くから生息している動物であり、「因幡の白うさぎ」や「ふるさと」など伝説や童謡などの題材ともなってきました。ウサギは穏やかで温厚な性質であることから家内安全、その跳躍する姿から飛躍や向上を象徴するものとしても親しみが持てますね。
 余談ですが、株式相場には【辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる。】という格言があるそうです。ウサギには跳ねる特徴があるため、景気が上向きに跳ねる、回復すると言われており、株式市場にとっては縁起の良い年として知られているようなので、期待しています。(笑)

 まとめますと、この2つの組み合わせである癸卯は、「これまでの努力が花開き、実り始めること」といった縁起のよさを表しているといえそうです。2023年の卯年は、今までのコロナ禍の3年間から大きく飛躍し、私たちの生活も仕事も大きく向上する年になって欲しいものです。

2022.09.01
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家で健康に過ごす注意点 前編

コロナ禍も第7波となり「もういい加減にしてくれ」というのが、
正直な気持ちですが、コロナ禍により人々の在宅が増え、
住まいに関わる時間も増えているようです。
そもそも、人間は屋内動物であり、「人生の9割を建物の中で過ごす」と言われています。
普通は、睡眠や食事などを考慮すると、一日24時間のうち少なくとも半分の12時間は
「家」に居るでしょうから、家が人生の中で一番長くいる場所と言えます。
故に家は安心で快適な場でなければなりませんが、
実際はさにあらん、「家が住む人の病気の原因であった」などということも起きています。

 

そこで、家で健康に過ごす為の注意点を述べていきたいと思います。

 

家で健康に関わる主な要因をあげると、

①室内の空気質、②温熱環境、③内装材や家具の材質、④設計や間取り

がありますが、④は、基本設計や仕様の悪さであり、是正するにはそれなりの工事も伴うので、ここでは割愛します。

①、②、③の代表的な症例である、

❶アレルギー疾患、❷カビや結露、❸シックハウス(化学物質過敏症)についてお話しいたします。

 

まず❶のアレルギー疾患ですが、わが国では年々アレルギー疾患者の増加が見られ、乳幼児から高齢者まで、国民の約二人に一人が何らかのアレルギー疾患を有していると言われています。今後もその傾向は強まる見通しで、平成27年に「アレルギー疾患対策基本法」なるものも施行されました。それだけ国民病になっているということですね。

 

アレルギー疾患には食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、金属アレルギー等などがあります。特に家に起因するものとしては、喘息やアトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎などがあり、これらは一般に、ダニやカビ、ペットの毛、花粉などをアレルゲンとしています。

アレルギー疾患の程度には個人差がありますが、予防するためには、とにかく疾患の原因となるアレルゲンや悪化因子を除去し、遠ざけることです。そのために手間はかかりますが、掃除や片付けをこまめに行うことに尽きます。

 

ただ、健康に暮らし続けるためには、掃除、片付けだけでは不十分で、それらと同時に家の中の「生活環境」の改善を行うことが必要であり、生活環境の改善とは❷のカビや結露対策と❸のシックハウス対策のキーワードである「換気の確保」とになります。

 

最近の住宅は省エネ指向から高性能化が進み、断熱性や気密性が高まっているので「換気」の必要性が一層見直されています。

そろそろ長くなってきたようです。

それでは換気(❷カビ・結露対策、❸のシックハウス対策)については次回で。

お楽しみに


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2022.07.25
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建築物省エネ法等の改正案の成立

今年は梅雨が異例の早さで過ぎ去り、6月末から猛暑日が続く月明けとなりましたが、皆様、お元気のことと拝察いたします。

 

令和4年もまだ半分が過ぎたところですが、コロナ禍の第7波の到来、長引くウクライナ侵攻、モノや人件費の値上げラッシュ、7月8日には本欄で取り上げるには、はばかれるような事件まで起きてしまいました。今のこの日本でこんな事件が起きてしまうとは……、残念でなりません。

 

誰もが感じていると思いますが、今は世の中が大きく変わっていく時代の転換期にあります。そして、その変化の幅と深さは想像以上のものがあるようです。一体、10年後の世界はどのようになっているのか? 見届けてみたいものですね。

 

さて、先月の本欄で、「家のあり様が変わってきている」「家に対して安全性は無論、居心地の良さや仕事も出来、趣味などを楽しめる場を求める人が増えている」と記しましたが、先月、「建築物省エネ法等の改正案」が成立し、2025年からは耐震性の高い、高断熱・高気密の「長期優良住宅」相当の仕様でなければ、住宅は建てられなくなります。このことは、家には広さが求められ、また耐震や省エネにおいて一層高性能化するということを意味します。

先々月の本欄では、建材や資器材の値上げラッシュで「新築住宅は高嶺の花となり、持てる人と持たざる人の格差が進んでいく」と記しましたが、値上げによる建築費のアップは変わらず続いています。そのような中での先の「建築物省エネ法等の改正案」の成立は、建築費のさらなるアップに拍車をかけるものであり、新築需要を減退させてしまうでしょう。

思うに、国はCO2削減を進める為、CO2の排出量の多い新築住宅を建てさせるのではなく、増える一方の空き家をリノベーションして住んでもらった方がCO2の排出量が少なく、空き家の利活用にもなるので、そのように誘導しているのではないか、と勘ぐってしまいますね。

いずれにしても、誰にとっても先々の見通しの付きにくい世の中です。これからは過去とはまったく違うという危機感を持って、何事も臨んでいかなければいけませんが、他方、変化の時代はチャンスの時代でもある、と言います。変化にうまく乗りチャンスを掴んでいきたいものです。

最後に火災保険について、10月から1割強の値上げが予定されていると、本欄の4月号で記しましたが、保険屋さんの説明を聞いたところ、1割強ではなく倍近い値上げになるものもあるそうです。

火災保険の更新がある方はご注意ください。

 


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2022.06.25
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「居心地の良さ」とは

今年も、先月末から今月初めにかけて夏日が続き、まるで梅雨入り前に夏が来たような天候がここ2,3年続いていますが、皆様はお変わりございませんでしょうか。

 

懸案のコロナ禍ですが、3月21日にまん延防止等重点措置が解除されて以降、人出で賑わった5月の連休や6月1日からの外国人の入国制限緩和などにより、感染のぶり返しが予想されていました。

 

この原稿を書いている6月10日時点では、東京都の感染者数は緩やかに減少を続けており、社会・経済も段階的に日常生活を取り戻しつつあるように感じられます。このまま収束してくれれば良いのですが、この災厄で、暮しも仕事の仕方も変わってしまったように感じます。

 

特に我々の住宅産業界に関わることで言えば、「家に居ることが多くなり、家のあり様が変わってきている」という変化です。コロナ前と変わり、会社や飲み屋さんなどにいる時間が少なくなった分、家に長く居るようになったので、家に対して安全性は無論、居心地の良さや仕事も出来、趣味などを楽しめる場を求める人が増えているようです。家に仕事や趣味の場を求めるのは今に始まったことではありませんが、「あれば良いな」が「必須」となってきたということだと思います。

 

「居心地の良さ」というのは主観的な感性に関わることであり、十人十色、規格住宅ではなく注文住宅でなければ出来ないことです。「住む人」は自分が求める暮らしのイメージや要望を「つくる人」に伝え、「つくる人」はそれを受けとめ、専門家として最善の案を提案する、そのやり取りを繰り返すことにより「住む人」が居心地の良いと思える家が出来上がっていきます。

 

この先、デジタル化が進み、家のつくり方がどのように変わっていっても、家は社会生活を営む拠点であり、日々の暮らしの場であることに変わりはありません。家に居て心地よさや自分らしさが感じられることは大事なことであり、それが家をつくる真の価値だと思います。

 

私ごとですが、この度自費出版で「家づくりの要諦」―10年経って建てて良かったと思える家を―という本を書きました。住宅・建設業を生業として40数年、私の簡単な経歴とこれまで培った住宅への思いを綴りました。90数ページの短い本ですが、ご興味のある方はご連絡を頂けたら送らせていただきます。もちろん無料です。(笑)

 


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2022.06.02
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続く値上げラッシュ!

薫風爽やかだった季節からそろそろ梅雨に入るのでしょうか。

皆様、お変わりありませんでしょうか。

コロナで冷え込んだ景気も、この時期の気候のように暖かくなって欲しいところですね。

 

さて、以前から食料品や日用品、ガソリンや木材などの値上げが気にはなっていましたが、新年度に入った先月(4月)以降、住宅・建設関連の主だったメーカーから資材、建材、内装材、住設機器などの値上げ通知が相次いで発表されています。

 原因は長引くコロナ禍やウクライナ情勢による工場の稼働停止や減産、燃料費の高騰、物流網の停止などですが、いずれも一時的なものではなく、今後も続く気配が濃厚です。

 

長年、住宅・建設業界に身をおいてきましたが、今回のような広範囲で大幅な値上げラッシュや品不足による納期の遅延は経験したことがありません。

 業界では値上げによる利益の減少や納期遅延による代金受領の遅れなどにより、資金力の乏しい会社の破綻なども、既に起きているようです。

 察するに値上げによる工事費のアップは少なくとも工事費の10%以上、納期はモノによっては3〜4ヶ月遅れのものも出てきています。

 従前からの業界の課題である人手不足と高齢化なども鑑みると、建物づくりが危機的な状況になってきているのではなどと感じてしまうほどです。

 家のリフォームなどをお考えの方は住宅会社とコストや工期など慎重に打合せをして、材料や機器の手配は早め早めにすることをお勧めします。

 

令和も4年目に入っていますが、住宅には耐震性はもちろん省エネ性や耐災害性、ITに対応したスマート化など高性能化がますます求められるようになっています。

その分、建築費は上がるわけですが、そこに今回の値上げが加算されてくると、新築住宅は高嶺の花となり、持てる人と持たざる人の格差が進んでいくことになります。

 持たざる人は賃貸暮らしか、中古住宅を購入しリフォームするかのいずれかになってくる。

 

今だに新築持ち家志向の強いわが国ですが、賃貸派、中古住宅派が増え、住まいへの意識も多様化していくでしょう。


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2022.04.22
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新年度のスタート

一日の寒暖の差が大きいこの頃ですが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。

 

4月から新年度がスタートし、各地で恒例行事である入社式・入学式が行われました。

そんな光景を目にし、思わず我が事が思い返されますが、昨年10月の本稿「小河原建設十大ニュース」でもご紹介しましたように、弊社にも初々しい仲間が3名加わり、フレッシュな風が吹いています。

 

さて、この4月から私たちの暮らしや実務にも関わりのある、新たな制度や取り組みが始まっています。

ご存知の方も多いと思いますが、まずは、使い捨てプラスチックの排出量を減らすための、「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。

これまで無料であったコンビニのスプーンやフォーク、ホテルの髭剃りやくしなどが有料化されます。

また、成年年齢が20才から18才に引き下げられ、18才、19才であっても親の承諾なしに、一人で諸々の契約が結べるようになりました。先行して行われた選挙権の付与もあり、名実共に成人と見なされ、大人の仲間入りです。

 

弊社の属する住宅・不動産業界に於いては、デジタル化への対応として宅建業法が改正され、契約書や重要事項説明書などの書面の電子化が解禁となりました。これにより売買や賃貸などの不動産取引の一気通貫でのオンライン化が実現し、関係者がわざわざ顔を合わせなくとも取引成立です。

マンションの管理に関しても「改正マンション管理適正化法」により「マンション管理計画認定制度」というものが創設され、現在の中古マンションの二つの大きな課題である、「建物の老い」と「入居者の老い」による建物管理機能の不全、その先にある建物のスラム化を防ぐ方策となることが期待されています。

 

付け加えるに、長引くコロナ禍に加え、戦乱の発生などもあり、今月から様々な建材や資材、住宅設備機器などが値上がりしています。

また、5月から予定されている電気料金の値上げや10月からは昨今の頻発する自然災害の激甚化により、火災保険も平均して約1割強の値上げが予定されています。

 

新しい制度の創設や諸々の品の値上げで幕を開けた新年度ですが、他にも長引くコロナ禍や戦禍の影響、そして人材採用難にデジタル化への対応と、難しい課題や問題が山積しています。

いつの時代も問題多きが世の常でもあります。

 

弊社も気持ちを新たにするべくホームページを刷新しました。

弊社の特徴を見やすく、わかりやすく訴求し、スタッフ紹介なども最新のものにしています。お時間のある時にでもご覧頂ければ幸いです。

 


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2022.03.25
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木造建築の普及 -後編

 春の気配が感じられ、桜の開花が待ち望まれますが、暖かくなる気候とは裏腹に、世界情勢は混乱の度を増しています。

平穏な世の中のありがたみを感じるこの頃ですが、皆様お元気のことと拝察いたします。
さて、今号の本欄では先月号に続き、「木造建築の普及」の後編をお届けします。

木は燃えるという特性故に、長らく木造といえば住宅かアパート位であったのが前編でも記しましたように、2000年の建築基準法改正により、上記以外の建物にも木造化の道が開け、以来、直近の事例を見ても、

・昨秋、札幌で11階建の木造ハイブリッドホテル(注)参照)がオープン

・横浜では11階建ての純木造事務所ビルが来月完成

・仙台で10階建ての木造ハイブリッド事務所ビルの計画

・千葉では地元のTハウジングさんが15階建ての複合ビルを今年着工予定

・大手ビルダーのAホームは1階店舗、2階事務所といった5階建ての木造商業ビルや8階建ての純木造社屋を特殊な部材や構法を使わず、一般の住宅で使われてきた、

従来の軸組工法の延長でつくる計画を発表

など、完成済或いは計画中のものが増加し、また用途も規模も多岐にわたり、中高層の木造建造物は目新しいものではなくなってきています。

特に私が注目したいのは、8階建ての純木造社屋を従来の木造住宅で使われる軸組工法の延長で作るというものです。

これまでは大きな断面の柱や梁などは集成材でつくり、接合部には特殊な金物などが必要とされてきましたが、一般に流通している住宅用の部材で中高層の建物が出来るのであれば、画期的なことであり、木造建築普及へ向けての大きな弾みとなるでしょう。
大手住宅会社のS林業さんなどは超高層ビルを木造でつくるという計画まで進めているようです。
また、木造のイメージの刷新につながる事例として、賃貸住宅業界では昨年12月、大手仲介業者の検索サイトで、これまでは自動的にアパートとして登録されていた木造賃貸住宅について、規模や階数など一定の基準を満たす物件は、木造でもアパートではなく「マンション」として登録することを決めたことなど、耐震、耐火面で進化する木造住宅の社会的地位向上を促す動きとしても注目すべきことだと思います。


住宅・不動産業界ともに、木造住宅から木造建築へと時代は変わりはじめています。
これまで鉄筋コンクリート造や鉄骨造だけであった市場に、新たに木造が選択肢として加わることは、CO2削減のみならずコンクリートジャングルと言われた都会の風景を潤いのあるものに変える契機となるでしょう。

 


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2022.02.25
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木造建築の普及 -前編-

 寒さ厳しいこの頃ですが、家の近くで膨らみ始めた梅の蕾が、春の予感を感じさせてくれています。皆様、お変わりございませんでしょうか。コロナ禍も第六波が到来し、身近なところでも「感染者が出た」という声を聞くようになってきています。第六波が去り、コロナ禍の早期収束を祈るばかりです。


 さて、昨今、建設・不動産業界のみならず、一般メディアでも建物の木造化の記事を目にする機会が増えています。本欄でもこれまで、「木造の可能性」(2017年6月号)、「木造ビル時代の到来」(2018年6月号)、「木造の復権」(2019年11月号)と3回にわたって木造中大規模建築の最近の潮流をご紹介してきましたが、潮流は一層確かなものとなり、中大規模建物の木造化は確実に進んできています。

そこで本欄では今号と次号に分けて「木造の中大規模建築の黎明期」と呼ぶにふさわしい現在に焦点を当て、木造化の進捗と今後の動向を探ってみたいと思います。


これまでを振り返るに、今から22年前の2000年に建築基準法が改正され、住宅やアパート以外の建物にも木造化の道が開かれ、その10年後の2010年には国が本腰を入れて木造化を促進すべく『公共建築物等木材利用促進法』が施行され、原則として「低層の公共建築物は木造化せよ」との号令がかかりました。
更に2021年6月には官のみならず、民間でも木造化推進を図るべく同法が改正され、公共建築物だけでなく民間の住宅やアパート以外の中大規模建築物にも積極的に木材を活用し、森林の適正な整備や木材自給率の向上を後押しするという環境整備がなされました。今年も、木造ビルへの支援策が更に打ち出される予定になっています。


地球環境の変化が云われだしてから久しいですが、昨今は起因する気候変動が世界各地で顕著に見られるようになり、SDGs(注1)やESG(注2)への取り組みが注目を集めています。そして、それが企業の価値や評価を決める指標ともなってきています。
待ったなしと云われる気候変動への緩和や適応の為に、建築のビジネスそのものが変わりつつあるのを、私も肌で感じています。これからは費用対効果ではなくCO2削減効果を基準に採用項目が決まる時代となり、住宅・建設業界も脱炭素へと舵を切るなか、二酸化炭素(CO2)を吸収・固定出来る木造建築物への注目度は高まるばかりです。


ここ5年間で、日本各地で中大規模木造建築が姿を現し、技術や材料、工法などの更なる進歩も加わり、大手のハウスメーカーやゼネコンだけではなく、中小の住宅会社も木造ビル市場に参入してきています。弊社も計画案件はあったのですが、残念ながら実現には到りませんでした。(涙)
そろそろ紙面が尽きてきたようです。
では、この続きはまた次号で。

注1)SDGs:「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称
注2)ESG:環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉

 


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