賃貸ビル・マンション建築・修繕 小河原建設の非木造事業
ブログ BLOG
2025.07.16
staff

木造ビルの普及

今年も、6月末からこの時期とは思えないような夏日が来るは、梅雨はどこかへ行ってしまうはで、気候変動が常態化してしまったようですが、皆様はお変わりございませんでしょうか。

 

さて、ここ2、3年で、建築業界では「木造化」というキーワードが急速に注目を集めています。

これまで、木造といえば戸建て住宅が中心でしたが、本欄でも何度かご紹介して参りましたように、「木造ビル」や「木造マンション」というキーワードが注目を集めています。

中高層のマンションやビルを木造、あるいは木造と鉄筋・鉄骨を組み合わせた「混構造」で建てる試みが、全国で広がりを見せています。横浜では 8階建ての木造ビル、さいたま市には一般流通木材を用いた純木造8階建てビルなどが完成しており、技術的には14階建てまで実現可能な段階まで進化しています。

 

こうした背景には、耐火性能や構造性能に関する技術革新、そして工法や材料の進歩があります。従来は難しいとされていた法規制のクリアも、今では汎用性の高い仕様が確立され、欧米で広く用いられている「CLT(クロス・ラミネーティッド・ティンバーと呼ばれ、板を繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料)」と呼ばれる木質パネルの導入によって、より高層・大規模な木造建築が現実のものとなっています。

この流れは大手のゼネコンやハウスメーカーだけに限られたものではありません。私たちのような地域密着型の中小建設会社にとっても、十分に参入可能な領域となりつつあります。

「やってみよう」という意志と学びがあれば、木造中高層ビルも手がけられる時代が訪れています。

また、木造建築は環境負荷の低減という面でも注目されています。木は二酸化炭素を吸収し、蓄える素材であり、その使用はCO₂削減に直結します。さらに、木の持つ温もりや調湿性は、人に優しい空間を生み出します。

都市部においても、木造建築が増えることで、冷たく無機質だった街並みに潤いや温かみが加わり、屋上や壁面に緑を取り入れることで、都市全体が自然に包まれるようなやさしい風景へと変わっていくことでしょう。

 

とはいえ、木造化の普及には技術的な対応だけでなく、発注者の理解と共感が必要です。木で建てるということの価値、そして未来に向けた意味をご理解いただければ、私たちはその期待に応える建物を一棟一棟、丁寧に形にしてまいります。

木造の中大規模建築は、今まさに「黎明期から普及期」と言える段階にあります。これからの時代を見据え、環境と共生し、都市にぬくもりを届ける木造化建築の担い手として、これからも新しい試みに挑んでいきたいと思います。

未来の都市を、木とともに創っていきましょう。

OTHER CONTENTS